ポートレートは何mで撮る?

焦点距離ごとに、人物を全身・上半身・顔のアップで撮るときの距離をまとめました。

距離と焦点距離を動かしながら、人物の写り方と背景のボケを写真で確かめられます。

85mmで上半身を見てみる

焦点距離別・人物を撮るときの距離早見表

フルサイズで、人物を画面の高さの80%に写すための、カメラから人物までの距離です。全身は身長170cm、上半身は胸から上の60cm、顔は25cmとして計算しています。

焦点距離全身(縦位置)上半身(縦位置)顔のアップ(縦位置)全身(横位置)
24mm1.4m52cm23cm2.1m
35mm2.1m76cm34cm3.1m
50mm3.0m1.1m48cm4.5m
85mm5.1m1.9m82cm7.6m
105mm6.3m2.3m1.0m9.4m
135mm8.1m2.9m1.3m12.1m
200mm12.0m4.4m1.9m17.9m

横位置は画面の高さが短い(24mm)ので、縦位置(36mm)の約1.5倍離れる必要があります。

部屋の中で全身を撮るなら35mm以下

6畳間の長い辺は約3.6mです。壁ぎわに立ってもらい、反対側の壁から撮ると、使える距離は3m前後になります。全身を縦位置で入れるには、50mmで約3.0m、35mmで約2.1mが必要です。部屋の中では35mm以下、余裕をみるなら24〜28mmが現実的です。85mmで全身を撮るには約5mの距離が必要なので、屋外向きです。

同じ大きさに写すなら、焦点距離が長いほど背景はボケる

上半身を同じ大きさ(画面の高さの80%)に写したとき、F1.8で人物の10m後ろの背景がどれだけボケるかを比べました。

焦点距離人物までの距離背景のボケの直径(画面の長辺に対して)ピントが合う前後の幅
35mm76cm0.87mm(2.4%)約5cm
50mm1.1m1.20mm(3.3%)約5cm
85mm1.9m1.91mm(5.3%)約5cm
135mm2.9m2.78mm(7.7%)約5cm
200mm4.4m3.71mm(10.3%)約5cm

同じ大きさに写すと、ピントが合う前後の幅(被写界深度)は、焦点距離を変えてもほとんど変わりません(どれも約5cm)。違いが出るのは背景のボケの大きさで、200mmは35mmの約4倍ボケます。望遠になるほど背景が大きく引き寄せられて、写る範囲も狭くなるので、背景がすっきりします。これが「ポートレートは85mm〜135mm」と言われる理由です。

APS-C・マイクロフォーサーズの場合

センサーが小さいカメラでは、表の焦点距離を換算係数で割ったレンズを使うと、同じ距離で同じ大きさに写ります。

ただし、同じF値ならセンサーが小さいほど背景はボケにくくなります。フルサイズのF1.8と同じボケにするには、APS-CでF1.2前後、マイクロフォーサーズでF0.9前後が必要です。

顔が大きく写る・小さく写るのは焦点距離のせい?

近づいて広角で撮ると鼻が大きく、耳が小さく写ります。これは焦点距離ではなく、カメラと顔の距離によるものです。顔のアップを24mmで撮ると約23cmまで近づくことになり、顔の前後の距離の差がとても大きくなるためです。85mmなら約82cm離れるので、自然な見た目になります。

計算の仕組みはボケ・被写界深度の計算式と写る大きさの計算式で解説しています。シミュレーターで全身を見る