焦点距離と写る大きさ・画角の計算式
このサイトの計算ツールで使っている式です。レンズを理想的な薄いレンズとみなした理論値です。
記号
- f:焦点距離
- D:レンズから被写体までの距離
- H:被写体の大きさ(幅または高さ)
- S:センサーの幅または高さ(フルサイズは36mm×24mm)
計算するときは単位をそろえます(すべてmm、またはすべてm)。
1. センサー上に写る大きさ
像の大きさ h = f × H ÷ (D − f)
被写体が焦点距離より十分遠い(数m以上)なら、D − f はほぼ D なので、次の式でも実用上ほぼ同じ結果になります。
h ≒ f × H ÷ D
例:85mmで10m先の身長1.7mの人を撮ると、h = 85 × 1,700 ÷ (10,000 − 85) ≒ 14.6mm。フルサイズ横位置の高さ24mmの約61%に写ります。
画面に占める割合は h ÷ S で求めます。
2. その距離で写る範囲
写る範囲 = S × (D − f) ÷ f (≒ S × D ÷ f)
例:フルサイズ・400mmで1km先なら、幅 36 × 1,000,000 ÷ 400 = 90,000mm = 約90m、高さ 約60m。100m先なら約9m×約6mです。
3. 画角
画角 = 2 × arctan( S ÷ (2 × f) )
S にセンサーの幅を入れると水平画角、高さを入れると垂直画角、対角線(フルサイズは約43.3mm)を入れると対角画角になります。レンズのカタログに載っている画角は、通常は無限遠での対角画角です。
4. 被写体がちょうど収まる焦点距離
1の式で h = S とおいて f について解くと次の式になります。
f = S × D ÷ (H + S) (≒ S × D ÷ H)
幅と高さの両方で計算し、小さいほうの値が「全体が収まる最大の焦点距離」です。
5. 指定の大きさで写すための距離
被写体を画面の p(例:80%なら0.8)の大きさで写したいときは、1の式で h = p × S とおきます。
D = f + f × H ÷ (p × S)
例:85mm・フルサイズ縦位置(S = 36mm)で身長1.7mの人を高さの80%に写すには、D = 85 + 85 × 1,700 ÷ (0.8 × 36) ≒ 5,100mm = 約5.1mです。
6. 上空にある被写体(花火など)
水平距離 L、高さの差 A のとき、被写体までの直線距離は次の式です。
D = √(L² + A²)
水平に1km、高さ575m(三尺玉の目安)なら D ≒ 1,154m。水平距離だけで計算すると、写る大きさを約15%大きく見積もってしまいます。
早見表:焦点距離別の画角と100m先の撮影範囲(フルサイズ)
| 焦点距離 | 水平画角 | 垂直画角 | 対角画角 | 100m先の範囲(幅×高さ) |
|---|---|---|---|---|
| 14mm | 104.3° | 81.2° | 114.2° | 約257m × 171m |
| 24mm | 73.7° | 53.1° | 84.1° | 約150m × 100m |
| 35mm | 54.4° | 37.8° | 63.4° | 約103m × 69m |
| 50mm | 39.6° | 27.0° | 46.8° | 約72m × 48m |
| 85mm | 23.9° | 16.1° | 28.6° | 約42m × 28m |
| 135mm | 15.2° | 10.2° | 18.2° | 約27m × 18m |
| 200mm | 10.3° | 6.9° | 12.3° | 約18m × 12m |
| 400mm | 5.2° | 3.4° | 6.2° | 約9m × 6m |
| 600mm | 3.4° | 2.3° | 4.1° | 約6m × 4m |
100m先の範囲は S × D ÷ f の近似値。距離が2倍なら範囲も2倍になります。
換算係数(35mm判換算)
センサーの対角線の長さの比です。換算係数を焦点距離に掛けると、フルサイズで同じ画角になる焦点距離(35mm判換算焦点距離)になります。
| センサー | 寸法 | 換算係数 |
|---|---|---|
| フルサイズ | 36 × 24mm | 1.0 |
| APS-C(ソニー・ニコン・富士フイルム等) | 23.5 × 15.6mm | 約1.5 |
| APS-C(キヤノン) | 22.3 × 14.9mm | 約1.6 |
| マイクロフォーサーズ | 17.3 × 13.0mm | 約2.0 |
| 1インチ | 13.2 × 8.8mm | 約2.7 |
センサー寸法は機種によってわずかに異なります。
計算と実際がずれる主な理由
- 距離の誤差:写る大きさは距離に反比例するので、距離が1割違えば大きさも約1割違います。
- フォーカスブリージング:近距離にピントを合わせると、レンズによっては画角が表記より狭く(または広く)なります。
- 歪曲収差:広角レンズでは画面の端ほど形や大きさがずれます。
- 表記焦点距離の丸め:「400mm」のレンズの実際の焦点距離が数%違うことがあります。